キレート樹脂
キレート樹脂
イオン交換基の代わりに、金属イオンとキレート(錯体)を作る官能基を導入した樹脂はキレートを形成することによって金属イオンを捕捉しますので、キレート樹脂と呼びます。
キレート形成基としてはN、S、O、P等の電子供与元素を2個以上含んだものが使われ、一般のキレート剤と同様の考え方が出来ます。例えばN-O系、S-N系、N-N系、O-O系などの種類がありますが、イミノジ酢酸型〔―N(CH2COO-)2〕やポリアミン型〔―NH(CH2CH2NH)n・H〕が有名です。
ダイヤイオンキレート樹脂は、(1)一般金属用として、イミノジ酢酸型のダイヤイオンCR11、(2)アルカリ金属(Na、K等)やアルカリ土類金属(Ca、Mg等)を捕捉しにくいポリアミン型のCR20、(3)ホウ酸等を選択的に捕捉するメチルグルカミン型のCRB03,CRB05の3種類があり、以下に樹脂の化学構造とキレート形成構造を示します。尚、下記構造のRはジビニルベンゼンによる架橋ポリスチレンを示します。
- (1)ダイヤイオンCR11の化学構造とキレート形成反応

- (2)ダイヤイオンCR20の化学構造とキレート形成反応

- (3)ダイヤイオンCRB03,CRB05の化学構造とキレート形成反応

キレート樹脂は特定の金属イオンに対する選択性がイオン交換樹脂の場合よりもはるかに大きいことが特長で、例えばCR11は飽和食塩水中の数ppmのCa、Mg、Srを数ppb以下まで除去することが出来ます。イオン交換樹脂によるイオン交換ではこれらの金属イオンに対する選択性がNaより高いといっても、選択性にそれほどの違いが無く、この場合のように数十万倍もの濃度のNaの中からCa、Mg、Srを捕捉することは出来ません。
吸着された金属イオンの脱着には通常塩酸や硫酸などの酸が用いられます。これは金属キレートの安定性が低pHでは低く、キレートが分解される性質を利用したものです。しかし、CR11やCR20などの場合、3価のイオンやHgに対しては選択性が非常に強く、再生には多量の再生剤が必要で、時には再生が困難な場合があります。又、金属イオンの中には塩酸溶液中で錯塩を形成するものがあり、塩酸を再生剤として使用すると旨く再生が出来ない場合があります。そのような時には再生剤に硫酸を使用すると有効です。
CR11及びCR20の金属イオンに対する選択性を以下に示します。
- CR11
- Cr3+ > In3+ > Fe3+ > Ce3+ > Al3+ > La3+ > Hg2+ > UO2+ > Cu2+ > VO2+ > Pb2+ > Ni2+ >
Cd2+ > Zn2+ > Co2+ > Fe2+ > Mn2+ > Be2+ > Ca2+ > Mg2+ > Sr2+ - CR20
- Hg2+ > Fe3+ > Cu2+ > Zn2+ > Cd2+ > Ni2+ > Co2+ > Ag+ > Mn2+
(K、Na、Li、Rb、Cs、Ca、Mg、Ba、Sr、Sn、Zr、Th、Al、Fe2+ は捕捉しません)
キレート樹脂 ラインアップ
弊社のキレート樹脂には、次のようなラインアップがあります。
